羽毛ふとんの特徴・上手な使い方
羽毛ふとんの特性
1 ふっくらあったか(保温性)ふんわり軽い
羽毛ふとんはたっぷりと空気を包み込み、暖かさを逃がしませんので、お年寄りや冷え症の方もぐっすりとおやすみになれます。
羽毛ふとんはとても軽いので循環器系や呼吸器系に過度の負担をかけません。6~8時間ほどのお休み中に、体に余計な負担がかからず、また、ふとんの上げ下げも大変楽です。
2 いつもさわやか(吸湿・発散性)
羽毛ふとんは吸湿・発散性に優れ、いつでもさわやかな感触です。
湿気がこもらないので、蒸れたり、じめじめした感じがありません。
3 やさしくフィット(ドレープ性)
羽毛ふとんは身体に添うようになじむため 肩口を冷やさず、ふとんがベットからずり落ちることもありません。
4 お手入れ簡単
羽毛ふとんは綿布団のように頻繁に日干しする必要がありません。
5 小さくたためて大きくふくらむ
広げるとふっくら大きく膨らむ羽毛ふとんですが、少し空気を抜けば、小さくたためるので長期間の保管や持ち運びに便利です。広げる際は、羽毛に空気を含ませるように、振るようにして下さい。
6 羽毛ふとんはとても経済的
耐久性が抜群です。羽毛ふとんの耐用年数は綿100%の側地の場合15~20年、中の羽毛だけですと50年以上もあります。
打ち直しの必要がありません。
長期間使用しても綿や羊毛などのようにヘタったりフェルト化したりすることが少ないため、打ち直しの必要がありません。
クリーニングもできるので、いつでも清潔に使用できます。
羽毛の種類
ダウン | フェザー |
羽毛・羽根ふとんに使用されている水鳥の羽毛は、その形状からダウンとフェザーの二種類に大別されます。
ダウン・羽毛(うもう) は主に水鳥の胸から腹部に多く見られるタンポポ状の羽毛で軽く空気をたっぷり含んでいます。
フェザーは一般的に羽根(はね)と呼ばれる部分で湾曲した羽軸を持ち弾力性があり ます。
ダウン90%・フェザー10%という表示は羽毛ふとんの中ダウンとフェザーの混合の重比率を表わしています。
ダウンは一羽の水鳥から極めて少量しかとれないものです。
このダウンが50%以上のものを「羽毛ふとん」、フェザーが50%以上のものを「羽根ふとん」と呼んでいます。
羽毛ふとんは、軽くて暖かですが、「羽根ふとん」は、羽毛ふとんより重く、保温力も劣ります。
● ダウン
水鳥の肌着にあたるもので、タンポポの綿毛のような形状をしており保温性、柔軟性に最も優れています。一羽から10~15gとごくわずかしか採取できないため、一枚の羽毛ふとんを作るには150羽もの水鳥が必要になります。
● スモールフェザー(小羽根)、ラージフェザー(大羽根
スモールフェザー、ラージフェザーは、ダウンの外側を覆っており、水鳥の上着の役割をしています。中央に羽軸が通っており、長さ6.5cm未満のものをスモールフェザー、それ以上大きなものをラージフェザーと呼びます。
コシがあるので、これらは主に枕や敷ふとんに使われています。
● ファイバー
ダウンやフェザーの羽軸から分離して一本の状態になっている羽枝をいい、これが多すぎるとかさ高が低下する原因になります。
● 損傷フェザー
害虫や引裂き、粉砕などによって損傷したフェザーで業界では形状の1/3以上損傷したものをいいます。
羽毛ふとんの上手な使い方
針 厳 禁 羽毛ふとんに針や安全ピンを使用すると中の羽毛が噴き出してしまいます |
1羽毛ふとんはカバーをかけて使う
側地の汚れや傷みを防ぐため、必ずカバーを掛けましょう。
羽毛ふとん専用のカバーですとボタン、ひもなどがついていて布団とずれないようになっていますが、一般の製品を使っても差し支えありません。
なるべく綿100%のもので、羽毛ふとんのサイズに合ったものを選びましょう。
→具体的に、どんなカバーが良いの?
2 じかに掛ける
羽毛ふとんは毛布などを間に入れず体にじかに掛けて下さい。
羽毛ふとんの特性である保温性、吸湿・発散性、ドレープ性が十分生かされます。
寒い場合は、羽毛ふとんの上に毛布などを掛けるようにして下さい。
3 ふくらみの凸凹をならす
袋から出してすぐの時や、羽毛のふくらみが少ないように感じる部分があったら、周囲の羽毛を軽くたたいて空気を含ませ羽毛を平均にならします。
4 キルティング部分を清潔に
キルティング部分のホコリはブラシなどで取り除きます
長いあいだ使わない場合は?
1 羽毛ふとんを充分に乾燥させます。
2 防虫剤を製品にはさみ、木綿のふろしきなど、通気性の良いものに包みます。
ビニールポリエチレンの袋など、通気性のないものに入れておくと蒸れて臭いが強くなったり、羽毛の品質を損なうことがあります。
3 押し入れの上段などなるべく湿気の少ない場所に保管します。
ふとん圧縮袋による保管は、通気性が全くなくなってしまいますので、あまりお勧めできません。
本来のかさに膨らまなくなる場合があります。
どうしても使用する場合は、圧縮袋製造メーカーの注意書きをよくお読み下さい。
ダニ等の害虫と羽毛ふとん
羽毛ふとんから虫がわくのではと、心配する方がおられますが、羽毛はその精製過程で熱乾燥処理と薬品による殺菌処理等により、ダニや害虫などを完全に死滅させていますので羽毛から虫がわくことはありません。
しかし、気密性が高く(風通しが悪く)湿度の高い住宅環境では、畳やじゅうたんからダニが発生し、それがふとんに付着したり人を刺したりすることがありますので、部屋の通気(乾燥)や清掃(清潔)に心掛けるようにして下さい。万一羽毛ふとんを使用して虫に刺された場合は、主にツメダニが原因と考えられますので次のように対処してください。
・部屋の通気を良くする ・清潔に心掛ける